忍者ブログ
詩とか詞とか謳とか
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

途中になって、しかもこれ漫画ベース
多分続きどうだろうということで掲載

 『いらっしゃいませ。お客様。』
 
「ここは…どこだ?
 何故、私はここにいる?」
 
『貴方はこの世界に流れ来た、情報生命体…』
 
「お前は…誰だ?」
 
   アテンダント
『私は案内者。            ゲスト
 “審査”を通った多次元からのお客様を、無事“世界”へ通すのが私の仕事。
 それで“世界”にどんな影響を及ぼそうとも…ね。それが私。それが役目。
 それ以上でもそれ以下でもないのですわ。お客様。』
 
「……そうか」
 
『…つかぬことをお聞き致しますことをご了承ください。
 お客様は…この世界に……
 どのような御用件がおありなのでございましょう?』
 
「特に目的があるわけではない。そう、 偶然 来てしまった のだ。
 はは…“わたしたち”は本来来てはいけないものなのであろう?
 私はお前たちが心と呼ぶものが読めるのでな…。
 ……さして言うなら、他生物・多次元の研究か。
 まあ、できるならば“神”と呼ばれる存在に会ってみたいとは思うがな。」
 
『そうでございますか…』
 
「こちらこそ、変なことを申してすまない…
 そなたはそなたでこの世界と創造主とやらを心配しておるのであろう…」
 
『申し訳ございません…そんなことまで…』
                 ハラカラ
「いいんだ…。して…私の同胞共…
 いや…部下は、どうなった?」
     
『貴方様の同胞の方々もお望みとあらばお連れいたしますわ。
 “審査”には通っておりますので。』
 
「そうか…では頼む。」
 
『はい… もうすぐ、世界に着きますわ。
 貴方様の行く末に幸多からんことを…』
 
「ああ…」
 
 
 
 
 
 
---
 
 
 
 
 
 
「あぁ~っ ミルクぅ~!!
 せぇーっかくお城でお休みできるからってぇ~!」
 
「ぐぅ~ すぴぃ~」
 
「こぉらぁああ!!おきろおぉぅ!!!」
 
「ぐひゅ~ すぴゅ~」
 
「ああぁあぁぅぅぅううう~~~~」
  
 
 
  
---
  
 

 
「ん…んぅ…ここ…は……?」
 
「ここは…どこなの…?」
 
「お父様…お母様…?癒緋…?
 デュウ…?」
 
 
 
さらっ
 
 
 
「ひゃぁっ!!!」
 
「???」
 
「だれ…?」
 
 
 
 
『…………』
 
 
「????」
 
 
『綺麗な…髪だな』
『それに、美しい羽根だ…』
 
 
「え…あ…ありがとう…ございます…」
「ええと…あの…あなたは…?」
 
『私か?私は…ここの国の一番偉い立場にいる生物だよ。』
 
「えと…そうじゃなくて…あなたの名前が聞きたいんです。」
 
『あぁ、そういうことか。』
『そういう時は聞く側から、名乗るものではないのかな?』
 
「あ、ごめんなさい…」
「えと…私の名前は、ウォータードロップ・ピペリテノン・スペア・ミント。
 ミント皇国の生まれです。長いですから、ドロップで構いません。」
 
『ドロップ…か。良い名だ。』
『私の名前は…そうだな…ああ、うん。
 クリアメイス・カルバーン だ。
 特に意味は無いよ。“私たち”は個々の名を持たないのでね。
 正直に言うと、今、自分で付けた。』
 
「うふふ、何だか面白い人ですね。
 カルバーンさん…あ、その…とってもいい名前です。
 えと、い、今付けたにしては…ですか、ねっ?」
 
『ふふふ、はははは!そうか!
 全く…君も十分面白いよ。ドロップ。
 そして、実に興味深い…』
 
「あ、えと…えへへ…なんだか、嬉しいやら恥ずかしいやらです…っ。
 えと、ええっと、ありがとうございます。」
 
『ん?何故、君は赤くなっているのかな?
 それに、お礼…恥ずかしいとは…ふむ…そうか…』
 
「???」
 
『いや、人間とは面白い生き物だと思ってね。』
 
「あ、そ、そうですか…」
 
 
 
 
 
 
---
 
 
 
 
「………」
 
『どうした?』
 
「はい…先ほどのことですが、
 正確に言うと、私… いえ、“私達”は人間ではありません。
 ご期待に添えないようで何だか、申し訳ないですが。」
 
『ふむ、それはいいさ。だが、随分興味深い話だ。
 どうも私は研究者資質でね。興味を持ったことはとことん知りたい性質なんだ。」
 
「そうなんですか。すごく、いいことだと思います。」
 
『そう言ってくれるとは、嬉しいね。
 して、人間種ではない…というと?』
 
「えと、“私達”のような羽が生えていたり鱗があったり、
 人間の容を成してはいるけれど、人間ではない、
 そういう種のことは“ニヒト”と呼ぶのだそうです。」
 
『ほう…そうか。だが、君達…かな?
 うん、君達の一族は実際に人間種と同じ様な容姿を持っている…
 …いや、種によっては保っている、なのか。ふむ。
 そして、同時に人間種と同等、
 一族によってはそれ以上の能力や頭脳を持ち併せているじゃないか。』
 
「えと、そこらへんの詳しいことは私もよく分かりません。
 でも、小さい頃から子守唄代りにと聴かされた、
 一族に古くから伝わるお話があって、そこからなら少し…ですけど分かります。
 私も…そのことで随分悩んだことがありましたから。」
 
『成程。聞かせてもらっていいかな?』
 
「はい。それによると、はるか昔…
 この大陸、ひいては世界が神によって創造されたばかりの頃、
 人間や動物、植物、それらは全てが同じものだったそうです。」
 
『神!…ああ、いや、何でもない。
 それより、同じものというのは?』
 
「そこのところは詳しくはわかりませんが、全てが同じですから、
 今で言う異種族間で結ばれたり、意志の疎通ができたりしたそうです。
 つまり、種族…と呼ばれる、そういう区別すら彼らにはなかったのだと思います。
 とても羨ましい世界だなと、幼い頃は思ったものです…。
 彼らは創造主である神の声を聴くことが出来たようで、
 神の導きに従い、慎ましく幸せに生きていたのだそうです。」
 
『ふむ、成程。そうか…。続けてくれるかい?』
 
「あ、はいっ。えと…
 そして、神様はしばらくして、平和な世界に様々な災害をもたらし、
 生けとし生ける者全てに試練を与えたそうです。
 大雨や暴風、地震、火山の噴火…それによる津波や洪水、
 飢饉、争い…度重なる脅威に、生物はどんどん死に絶えていきました。
 その最中、生き残った生物達の中で…形の違うもの、
 今で言うそれぞれの種族の代表が皆のために立ち上がり、助けを求める為、
 彼らは全ての生あるものの期待を一心に背負い、神様がおわす頂を目指したのです。」
 
『災害は神が起こしていたというのに皮肉なものだな。』
 
「ええ、まあ、知らなかったわけですから。
 種族の代表者達の旅は熾烈を極め、中には途中で息絶えるものも出ましたが、
 彼らは決して歩みを止めませんでした。その甲斐あって、
 彼らは遂に、神様の頂のすぐ目の前まで辿りつきました。
 が、しかし…ここで大変な事態が起こったのです。」
 
『ほう。それは一体?』
 
「人間種の代表の一人が突然狂気に駆られ、他の者を殺し始めたのです。」
 
『どうしてなんだい?』
 
「その狂った人間は、自分だけが助かるためにそのようなことをしたのだそうです。
 恐怖に屈したのかもしれません、度重なる禍に心を狂わされたのかもしれません。
 今となってはその者の心の内がどうだったかなど…定かではありません…」
 
『そうだな…』
 
「狂ったニンゲンは、苦楽を共にしてきた仲間を躊躇一つせず、手に掛けていきました。
 しかし、最後に残った、隅で隠れながら震えていた3人の兄妹を見つけた瞬間、
 狂ったニンゲンは動きを止めました。3人の兄妹は悪い人間の実の子供達だったんです。
 狂ったニンゲンは、親である自分を怖れ、竦み、震える子供達と、
 それすら手に掛けようとした血に塗れた己の手、後ろに広がる惨状を目にしました。
 その者は自らの犯した罪を嘆き…神様に赦しを乞うたそうです。」
 
『ふむ…』
 
「…神様は全てを見ていました。
 神様は狂ってしまったニンゲンの子を想う慈愛、悔い改める心に応え、
 世界に蔓延る災いを止め、平和をもたらすことを約束し、
 狂った人間の手から生き残った3兄妹達に、
 そんな災いすら容易に乗り切れる素晴らしい力をそれぞれ与えました。
 そして、人間種に代が続く限りの繁栄と世界の永遠の支配権を握らせた後、
 狂っていたニンゲンに自分以外の種を絶えさせた罰として、
 実の子どもである3兄妹から“愛する心”を取り上げたそうです。
 …以来、人間種以外の種は“人間に成るか 姿を模倣しない限り永遠に”
 知識や知恵を蓄える頭脳や、コミュニケーション手段である言葉等を
 使うどころか、それらを持つことすら神様から許されなくなったそうです。」
 
『……』
 
「…それから…なんです。“我々”が人間の姿を真似るようになったのは。
 当時、そんな他種族を不憫に思った女神様は、御自分の大切なお力と引き換えにして、
 我々に人間の姿に近づける為の術を与えてくださったそうです。
 そして、私達…ミント族は女神様に 一番近い姿 をしていたこともあって、
 ミント族を中心に他種族は団結し、自然に女神様への信仰も篤くなっていきました。
 その慈悲に溢れた御業と懐のお深さ、御姿の神々しさや見目の美しさ、
 温かい御導きの御言葉の数々に、どんなに我々は励まされたか…。」
 
『ほほう。それが君達を勇気付け、今日まで引っ張ってきた原動力…
 そして君を、ある意味苦しめている女神信仰の発端か。』
 
「えへへ…そ、そう…ですね。
 でも、女神様が私達の心の支えとなっているのは、揺らぐことのない事実です。
 私も…ですが、我々は女神様が見守っていらっしゃると思っただけで、
 どんなに苦しく辛い時でも乗り越え、頑張るってゆくことができました。
 遥か昔、人間種が覇権を握っていたという この大陸をスウィーティア大陸と名付け、
 我々と人間種が共存できる体系へと新しく変えて下さったのも、実は女神様なんです。
 …そういった経緯があって、我々に余りある恩恵を下さった女神様は、
 この世界をお創りになったという神様以上に、私達にとって、
 本当に、本当に、特別な存在なんです。」
 
『それは…すごいな。ふむ。
 女神の御業というものがどれほどなのか分かったような気がするな。
 して、話を聴く限り、女神はいつもそなた達と共にあったということになる。
 …今もそうなのであろう?
 良ければ私に、その女神がどこにいるのか教えてはもらえまいか?』
 
「ええっ、あ…
 そ、それは…できません。」
 
『何故だい?
 まさか私には…教えられないとでも言うんじゃないだろうね?』
 
「ええっ!?いえいえいえいえ!そんなっ!!違いますっ!!!
 お命を助けてもらったばかりか、こんな…っ、こんな私に、
 このように優しくしてくださる貴方様にどうして隠し事などできましょう?
 そのことにはちゃんと理由がありますっ!!だから…その…っっ」
 
『ふはははっ、相変わらず―ドロップ。君は本当に面白いな。
 そんなに取り乱すとは…んん?
 どうした?もちろん冗談に決まっているだろう?
 そんな顔をするな…からかってみただけだ。
 それで君が傷ついたなら、謝ろう。すまなかった。』
 
「うう…メイス様が謝ることじゃないですよう…。
 でも、でも、お人が悪いですっ!ぷうっ!!」
 
『ふくれた顔もかわいいな…フフッ。
 まあ…戯れはさておき、話の続きをまた聞かせてくれないかな?』
 
「う…うーー…はい…。
 えと、できないといったのは、
 私を含めた誰もが女神様がどこにおいでになるか知らないから、なんです。
 正確に言うと、女神様は現在 この大陸にいらっしゃらないようなんです。」
 
『それは、また 別のどこか に行っている…そういう訳ではないのかね?』
 
「そのことについてはハッキリと違う、と言い切れます。」
 
『何故だい?』
 
「メイス様はあまりこの大陸のことをご存じないようなので、
 知らないのは無理もないかもしれません。え、と。
 じ、実はこの大陸にはですね!唯一人、賢者と呼ばれる方がいらっしゃるんです!
 数々の予言は的中し、魔法は今まで見たこともない素晴らしい完成度なんです!
 その力を使い、大陸を観測し、記録していらっしゃるそうです!
 噂では、この大陸ができる前から世界に生きていらっしゃったとかで!
 本当か分かりませんが、女神様と姉妹だとか色々な噂が飛び交ってるんです!
 私も小さい頃、そのお方が祭典に来訪された時にお会いしまして!
 どうやらお祭がお好きみたいで!うふふ~お噂通りの凄い方でしたよ~!!」
 
『ほう…なるほど。
 して…その賢者とやらが、何故関係あるのかな?』
 
「ああうっ、つっ…つい…その…思い出して興奮してしまって…
 あ…うう…メイス様ぁ…目が怖いですよぉ………」
 
『聞こえているぞ?ん?』
 
「あわわ!うわぁっ!
 えと、えとっ、そっその時に賢者様が、我々におっしゃって下さったんですっ!
 “女神は今は不在だが、じき姿を現わす”って!」
 
『……!? どういうことだ?』
 
「えと、どうやら女神様は、前に話しました 大切なお力 を失ってからというもの、
 私達の前に御姿を永遠には現せなくなってしまったようなのです。
 女神様が御姿を現さなくなった頃から、禍が頻繁に起こるようになったといいます。
 現在は女神様が不在になり、各地域の異変が起こり始めたのも丁度そのあたりです。
 逆に御姿を拝見できるようになると、禍も止み、世界も安定するようですが…。」
 
『それはどこで、聞いたのかね?』
 
「ええと、祭典のあとに賢者様が私のところにいらっしゃいまして!
 “貴方がドロップ…ウォータードロップ・ピペリテノン・スペア・ミントね…
  貴方には今、話しておかなければいけない”と言われ、お聞きしたのですっ。
 他にも色々なお話を聞かせて頂いたんですが…何より、
 賢者様とはその時生まれて初めてお会いしたのに本名を言い当てられてしまうなんて、
 すごくビックリしました!さすが賢者様ですよね!?」
 
『ん?君の本名というのは皆が知っているわけではないのかい?
 それに、どうして今話しておかなければと言われたのだろうか…?』
 
「ええと、私のその…長っが~い名前の一部は門外不出で、
 限られた皇国皇室関係者しか知ることができないんです。
 ピペリテノン っていう部分がそうなんです。
 それは一族で姫に受け継がれる大切な名前だから…って。
 決して誰かに自分から名乗ってはいけない名前なんだそうです。
 それしか教えて貰えなくて…よく解からないですよねー…。
 何度か試してはみたのですが、どうしてもその時だけ声が出なくて…。
 魔法でも掛けてあるんでしょうかね。あはは…自分の名前なのに…。
 でも、メイス様には何故か、その、初めから全部名乗りたかったんです…。
 今まで名前の契約が破れたことなんてなかったのに…不思議ですね。
 メイス様を目の前にしたら、するっと口から出てしまったんです。」
 
『そうだったのか…
 私にそうしてある意味…全てを晒してくれたこと、感謝する。』
 
「いえ…本当に、自然に出てしまって、自分でも何がなんだか…。
 あっ、あと、最後の質問は…多分…んんん……
 …私が、女神信教の次期後継者だったからだと思います。」
 
『成程…女神が失った…一番大切な力。
 それが何なのか、大変興味深い。一番近い、か。
 それで君に何か美しいものを感じるのかもしれんな。』
 
「そそれは…違うと思いますがっ…えと、ありがとうございます…。
 あ、あっ、そうだ!ほ、他に何か、あったら答えます…けど…っ」
 
『ああ…君達は…そうだな…
 人間種を…憎い、と思ったことはないのかい?』
 
「え…? ………。
 今となっては真似る努力など、要らなくなるぐらいになりましたし、
 姿形自体も当時に比べれば、かなり人間に近いものになりました…が。
 種の能力を有する以上、人間種との差は容姿にそのまま出ることになります。
 それがどれだけ“私達”のような様々な種族を苦しめたか分かりません。
 独立国の殆どが人間種以外の種族によって立ち上げられているのはその為です。
 もちろん現在となっては人間種をそこまで憎んでる訳ではありません…
 ですが…それも…今となってはどうしようもないことです……。」
 
『そうか… 聞いて悪かったな。』
 
「いえ…っ
 むしろ、メイス様とお話できて、すごく嬉しかったし…
 色んなことを隠すことなく言えて、すっきりしたぐらいです!」
 
『そうか…それはよかった』
 
「はいっ!」
 
 
 
 
 
 
 
---
 
 
 
 
 
 
「ピュゥピュウピュゥ!始祖様!始祖様!」
 
「来たか…」
 
「あれ?お師匠様…?どうしたんですか?」
 
「ううん、なんでもないよー
 あー…今日の修業はここでおしまい!」
 
「えっ…だって、まだこんな時間なのに?」
 
「いいから、観測室まで戻りなさい。」
 
「お師匠様?」
 
「早く!」
 
「は、はいっ!!」
 
「ピュゥピュウピュゥ!」
 
 
 
『貴様が…賢者か?』
 
「ん?そうとも呼ばれるねー
 僕に何か、聞きたいことでもあるのー?
 ―――さん?」
 
『…!! どこでその名前を…』
 
「賢者は何でもお見通し…って、
 ドロップちゃんに聞いてたんじゃなかったのかな?」
 
『……何故その話を知っている』
 
「うん、あの子は大切な子だからねー」
 
『答えになっていない!』
 
「まあ、そー かっかすんなってー」
 
『誰のせいだと思っている?』
 
「うひゃっははー」
 
『質問に答えろ!
 …その大切な子がどうなってもいいのか?』
 
「あー、久しぶりに面白い~
 じゃあ、クリアメイス・カルバーン…だっけ?
 まー、アンタには到底不可能だよ。
 君が そうなってしまった 以上、
 君はドロップを手に掛けられない。一生ね。」
 
『それは何故だ』
 
「君は知りたがり屋さんだもんねー
 むきゅふふふ むはっはー」
 
『おちょくるのは止めてもらおうか』
 
「あー、はいはい
 どうせ聞かなくても分かるんでそー?
 …頭の中でも読んだらどうだい?」
 
『残念ながら…お前からは何も感じ取れない』
 
「まあ、そうだろうねー
 君も所詮、神によって造られたんだからね」
 
『っっ!!
 お前は神の何を知っているというんだ!
 私はそれが知りたくてここに来た!!』
 
「あー…その怒った顔ー!言い回しー!!
 懐かしいねえ~ ほんっと、そっくり」
 
『いいから私の質問に答えろ!!』
 
「はいはい」
 
 
 
 
「ねー、ピルルー…
 お師匠様は一体どうしちゃったの?」
 
「今は危ないんだよ お外に出ちゃダメ!」
 
「ピルルって
 そーゆー時はいつもそーゆーのばっかりー
 つまんないよーつまんないー」
 
「異音様は それほど大切なんですよ!」
 
「え!それって!お師匠様が!?
 イオンのこと?ねぇ、それってイオンのこと!?」
 
「ピュゥ!ピュウ!
 く、ぐるぢい……」
 
「やったー!!」
 
「な、何も言ってないのに…げひゅっ…」
 
「うふふー!お師匠様とー!
 イオンは~っ♪ りょおおもいーっ!!」
 
「…ハァ…」
 
 
 
 
 
「で…知りたがり屋のメイス君~
 君は神についての一体何を知りたいのかな?」
 
『くっ…まあ、いい。
 まず、私が知りたいのは、
 神が何故私達を、この世界を、作ったかと…言うことだ。』
 
「ふぅん、他にもあると思うけど~ まずはそれかぁ。
 君はよっぽど生真面目なんだねえええ」
 
『良いから、答えろ』
 
「ふいふい。えっとさ。
 神ってーのは高次元の存在っていうのは分かってるよね?」
 
『ああ。嫌でも思い知らされる。』
 
「神ちゃんはさー 大体6次元ぐらいの存在にいる。
 メイス君と僕は4.5次元。だから次元を超えられる。
 あー、ちなみに君のご執心の女神様は5~5.5次元だよ。」
 
『そんなに…
 それから、ご執心は余計だ。
 私は女神にそこまでの興味はない。』
 
「そうなの?
 だって…あー、そっか。ふうん。」
 
『少々含みのある言い方だな。』
 
「まあ、ね。でも、それ言っちゃったらネタバレじゃん?
 それに、わたぴが神ちゃんに怒られちゃうし、
 この世界の均衡が崩れちゃう~♪」
 
『それにしては随分楽しげだな』
 
「まー、生きる時間なんて限られてるんだし、
 それがいくら永遠に近いものだとしても、
 楽しまなくちゃ損だと思うからねー」
 
『ほう、そうか…』
 
「うん。で、続き続き。
 神ちゃんの言い方によると、神ちゃん自身も創られた存在らしいんだよねー
 まあ、それは置いといて、神ちゃんはねー
 この世界はハッキリ言えば“観測”の為に創ったんだって!
 もちろんそれだけじゃないけどねー 細かいデータが必要なんだってー」
 
『神すらも…何と世界というものは大きいのか…
 それに“観測”…そうか。それで、君はここにいるのか?』
 
「おー!さすが察しがよろしいでございますなあー
 って、そんなの気付くか。君ぐらいだったら。
 それにー なーんだか口調が柔らかくなってやんのー
 この賢者様に惚れたのかー?あーん?うっひっひー」
 
『何を…いや、色々と先ほどの話の中に
 考えさせられることがあったのでな。尊敬の意を込めたまでだ。
 …君は、この状態…いや、神によって造られ、
 与えられたこの状況に…満足しているのか?』
 
「へっふー尊敬ねー ふっふ
 まあ、この世界で全知全能だからねー 私はー♪
 んー?満足ぅー? んんー 面白い質問するねー
 と、いうことは、メイス君はこの現状に満足していない、と。
 んー 私は、今の生活を気に入っているし、満足はしていないけどさー
 そーゆーのは限られた状況だろうが状況だろうが、
 何とかして自分で創り出していくものだと思ってるよー どう?」
 
『まあ、そう…だな。そうか。』
 
「それに君には、いるんでそー?
 大切な人がー」
 
『同胞共…か』
 
「違う違うー」
 
『…?』
 
「ま、その記憶じゃ、無理もないか。」
 
『もしや、最初に言っていた“そっくり”
 という言い方と関係あったりするのだろうか。』
 
「さーねー」


 
PR
9 12 11 24 6 21 39 38 37 36 19 
ブログ内検索
フリーエリア
Template by 1235!    |忍者ブログ│[PR]