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 置く場所を見失ったので 掲載

「音仲間(おともだち)」 の なんちゃって小説らしい
大好きなオルゴール曲をモチーフにしているらしい

 
 
 見えない電話の向こうには
 
 いつも君がいる
 
 溢れそうな愛しさを そっと潜ませ
 
 さあ 君をCALL
 
 
 
 
 
   C A L L 
 
 
 
 
 
 「うーん、今日は絶好のお出かけ日和だねっ!青たん!
  ほらっ!こんなに空が綺麗だよっ!!」
 
 「…空音はいつもそればっかじゃん。」
 
 
 今日は全国的に春らしい暖かな陽気で、桜も満開に近い絶好の日和。
 こんな日にはだれでも外に出たくなるというもの。
 そんな中、嬉しそうに空をずっと眺めているのは空音。
 その隣でどーでもよさそうに相槌をうっているのは、あおたんこと青音。
 
 
 「桜さんもすっごく綺麗だよね~…まるで私たちに見て欲しいって言ってるみたいだね!」
 
 「桜の気持ちなんか知ったこっちゃ無いけど、綺麗なのは確かだな。
  桜には何かこう…人の心に作用するものがあるのかもしれないな。」
 
 「そうだね!」
 
 
 しばらく桜並木を歩いていると、湖がある公園にでた。
 ここでは桜のお祭りをやっていて、
 露天が出ていたり、イベントもやっているようだ。
 
 
 「あ、露天が出てるみたいだよ、あおたん。」
 
 「お、ホンとだ。たこ焼き屋があるから、ちょっと行って買ってくるよ。」
 
 「相変わらずたこ焼きが好きだね~…いってらっしゃい。」
 
 
 青音はたこ焼き屋の露天に走っていってしまったので、
 一人取り残された空音は空を見ながら待つことにした。
 
 
 「あ~…もう、何とも言えない良い天気だよ~っ。
  空もやっぱり綺麗だしっ……う、海音も誘えばよかったかなぁ……
  って…わぁっっ!!」
 
 
 どてっ
 
 
 空音は空を見るために上を見上げてばっかりだったので、
 足元の石に気付かず転んでしまったのだった。
 洋服は何とか大丈夫だったが、足を怪我してしまったようだ。
 
 
 「いたたたたぁ…あーぁ、転んじゃったよ~…」
 
 「…そんな風にのんきに空ばっかり見てるから、いつも転ぶんだよ。」
 
 
 ちょうど露天から戻ってきた青音は
 大好物のたこ焼きを頬張りながら空音に毒づいた。
 
 
 「うっ…そんなことないもん……ぁ、いたぁ…」
 
 「大丈夫かよ…;;」
 
 
 何だかんだ言いながらも空音ことが心配な青音は
 いったん家に戻ることを決めた。
 
 
 
 ----------------------------------------------------------------------------------------
 
 
 
 「えっと…これは包帯でいいか…うしっ!できた。」
 
 「ゴメンね…なんか手当てまでしてもらっちゃって…。」
 
 
 自分たちの家にもどった空音は、
 自分の足の手当てをしてくれている青音に向かって言った。
 足の怪我の方は青音がすぐ手当てをしたおかげで、
 そんなにひどくならなかったようだ。
 
 
 「…お礼はしてもらうからな。」
 
 
 ニヤリと青音は不敵に笑った。
 
 
 「むぅぅ…分かってるって。
  う~ん…じゃぁ、お昼ごはんはあおたんの好きなもの作ってあげるよ。」
 
 
 そんな青音に空音は戸惑いつつも提案を出す。
 ちょうど時計の針は昼食の時間を指していた。
 
 
 「やった!じゃあ、たこ焼きな!たこ焼き!!」
 
 「了解っ。」
 
 
 即答で「たこ焼き!」と答えた青音に
 (さ、さっきも食べてたような気がするけど…)
 と心の中で思った空音だったが、深くツッコまずにお昼ごはんの準備を始めた。
 
 
 ----------------------------------------------------------------------------------------
 
 
 「( あーぁ…海音に会いたいなぁ…今何してるのかなぁ…
       お昼はちゃんと食べたのかなぁ…… )」
 
 
 そう思いながら、空音はたこ焼きのもとを作っていた。
 たこ焼きのもとは順調に作られている。もうすぐ焼く準備に取り掛かれるぐらいだ。
 
 
 「…なぁ、空音ぇ。折角だから海音もさそったらいいんじゃないか?」
 
 
 そんな中、青音が思いついたように言った。
 
 
 「え…」
 
 「え…じゃなくてさ…。お前、海音に会いたいんじゃないのか??」
 
 「な…なんで…っ」
 
 
 
 
 「だってさっきからため息ばっかりしてんだろ」
 
 
 
 
 「…っ!!」
 
 
 思いがけない青音の言葉にびっくりして、
 空音は混ぜていた菜箸を取り落としてしまった。
 
 
 「海音のヤツ、今なら家で曲作ってる頃なんじゃないか?
  昼飯は…多分まだだな。
 
  じゃあ、ほら、電話掛けろよ。」
 
 
 時計の針をちらっと見ながら言う青音。
 
 
 「ぇ、でも…///」
 
 「でも…じゃない。さぁ、電話の前に行った!行った!
  …俺が最初はでてやるからさ。」
 
 
 青音はソファーから器用に降りると
 空音を電話の前まで引きずっていった。
 
 
 「そんな顔されたんじゃ、折角作ってるたこ焼きも不味くなるってこと!
  まあ、お前の作る料理にはあんまり期待してないけど…。
  ともかく、どーせお前の笑顔を崩す原因なんかコレぐらいだからな。」
 
 「え、あ、うん…///」
 
 
 青音はピッポッパッと慣れた手つきでとある番号のボタンを最後まで押した。
 そして、
 「そーだ、いいこと思いついた…」
 そう呟いて、赤いオンフックのボタンを押した。
 ボタン音と電話のベルが大音量で部屋中に響いた。
 ニヤっと笑う青音。
 空音は真っ赤になって、イスの後ろに隠れようとしているところだった。
 
 
 「…逃げようとしても無駄だぞ?」
 
 
 がしっ と空音の服の襟をしっぽで器用に掴む青音。
 その間にもプルルルル…と無機質な電話のベルが部屋の中に響く。
 
 
 プルルルル…
 
 
 「あ"ぁぁ…海音に掛かっちゃうよぉ……////」
 
 
 プルルルル…
 
 
 「何当たり前なこと言ってんだ!掛けてんだよ!!」
 
 
 カチャッ
 
 
 『もしもし?』
 
 
 無機質なベルの代わりに海音の声が部屋中に響く。
 そうこうしている間に海音が電話に出てしまったようだ。
 
 
 『もしもし。あぁ、海音。 俺だ、青音。』
 
 『あ、青音かぁ。いったいどうしたの??』
 
 「はわっ…海音だぁ…////」
 
 
 海音の声を聞いた途端、空音は嬉しくなって思わず声を上げてしまった。
 
 
 『あのな、何か空音が言いたいことがあるらしい。聞いてやってくれないか?』
 
 『何かなぁ…あ、空音は??』
 
 「ぇ"っ…あっ…あっ…えっと…いないですー…っ////」
 
 
 海音が空音のことを探す声が聞こえたときには、
 空音はまたイスの陰に隠れてしまっていた。
 
 
 「コルァ、空音。隠れてないで電話に出ろ。」
 
 『あ、そこにいるんだね?』
 
 『ああ、隠れてる。今電話に出すから。』
 
 
 
 青音はそう言うと空音をしっぽで捕まえ、
 自分の脇に連れてきた。
 
 
 
 
 「ホレ、空音。会いたいんだろ?ちゃんと言えよ??」
 
 「う…うん…///」
 
 
 
 
 
 
 『も…もしもし…? 海音…??』
 
 『あ、空音!どうしたの??』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 『あ…あのねっ…////』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 見えない電話の向こうには
 
 いつも君がいる
 
 溢れそうな愛しさを そっと潜ませ
 
 さあ 君をCALL 
 
 
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